マランツ Model 7 シリアル番号1X番台の超初期型になります。
初期の中でたまたま側面や天・底板の組み合わせにより一部グリーン又は全面がグリーンになる個体がありすが、
まだまだ受注数が少ない手作り時代の物で、シャシーの発注の際のムラに当時の苦労がしのばれます。
こちらは上下パネルがグリーンです。
一桁台から10番台の特徴として見られるのは、5枚目の写真にあるとおり5芯ケーブルによる配線と緑色のシールドコードがあげられます。
どこかの方が一桁台を入手された際真贋を検討するのに参考とした1X番台が、今回出品をしたこの個体になります。
この個体はどこかの方が真贋を確かめるべく、マッキンやマランツの鑑定、整備等で指導的立場にある方が精魂込めて整備をした個体で、
極めて良い状態に保たれています。
発売後60年以上は経過していますから劣化したパーツは適宜交換をしており、この個体は160Pにで完全に整備された物になります。
7の一番肝心なRIAAカーブですが、特に精度の高い物で補修されており、正確なLP再生が出来ています。
カラーコードの致命的欠点は湿気に極めて弱いと言う事はその当時から知られていた事で、
補修パーツとしてカラーコードを大量に仕入れた商社、神の手と言われた匠らがどうにもならないと言う事で、
カラーコードを諦めたと言う経緯があります。
ブラックビューティは1960年代初頭にカラーコードから160Pに変わったのですが、
その過度期にカラーコードを印刷した160Pが製造された時期があるようで、
今生きているカラーコードの多数は中身が160Pのカラーコードではないかと思います。
砂漠地帯から出てきたアンプ類から取り外したと称する、まだ生きているカラーコードに何度も交換をした事がありますが、
半年から1年程で駄目になった経験があります。
40年少し前からで、まだまだ元気な7が沢山ある時代からの事です。
私はまだまだ元気なカラーコードを使った本来の音質を保った7を愛用して来ていますから、
都市伝説的なカラーコード信奉はありません。
当時物カラーコード、160Pにカラーコードを印刷した物、160Pとの差異を感じた事はありません。
それは駄耳だからと言われてしまえば身も蓋もありませんが、腰が抜けるような差が有れば駄耳でも判ります。
過去に散々苦労をして7をベストの状態に保とうとした、匠と言われた技術者が鬼門に帰し、
その苦労を伝える人が絶えた今都市伝説が跋扈しているようです。
たまたま生き残ったカラーコードで補修をしてみたものの、やっぱり1年もせず駄目になり、
こんなので良いの?と言うようなコンデンサーで代替して低域を改善したとか、高域が更に伸びるようになったとか?
そのような対応をせざるを得なくなった技術者も居るようです。
オールバンブルビー化?は散々やってきても半年から1年程で駄目になり、何度もそのような補修を繰り返しましたが、
最終的に辿り着いたのが今の状態になります。
どうしてもオールバンブルビー化をしたいのであれば50万も出せば対応してくれるショップもあるようですから、
試してみれば良いかと思います。
しょうも無い事ですが、RCA端子を固定しているリベット部分に錆が浮いている物を歴史を物語って居る云々・・・ではなく、
その錆がシャシーに及ぶと考えたら技術者としては放っておけないと思います。
7の塗装はとてもチープなので、これを磨く方法を知らないのでしょうね。
チープな塗装なので簡単に剥がれますから、劣化した塗装を保護もせず歴史が云々・・・と。
球はテレフンケンのダイヤマーク付きスムースプレートで、長い年月を掛けて集めた球から、
特に特性の揃った6本になります。
重要なのはRIAAイコライザーのV1V2V3であって、ライン用は極端な話何でも大丈夫です。
7の真骨頂はRIAAイコライザーにあります(試聴にプレーヤをー置いていない所もあるようです)。
上記のとおり7はRIAAイコライザーが命ですから、テレフンケン・ダイヤマークのみに拘らずシーメンスやムラード等魅力的な球は沢山あります。
この個体の特性の揃ったテレフンケン6本の他ムラードCV4004(高額なSTC製3本)も付属します。
塗膜に剥がれや傷がありますが、年月を考えれば十分綺麗に保たれていると思います。
また特別?(簡単なので伝授します)な方法で磨いたリベットに錆びは無く、保管状態は良いと思います。
付属品
レプリカのケース
ムラード CV4004(STC製)3本
こちらにオールバンブルビーで整備したMarantz 7 1017X番と鳴き比べをした映像を載せています。
インプットトランスをWestern Electric 618Aで比較した場合
インプットトランスをWestern Electric 618Bで比較した場合
高額品である為宅急便の保険対象となっていません。
可能な限り手渡し、近隣であれば配達又は引き取りを希望します。
勿論十分な緩衝材と二重段ボールにて厳重な梱包ををした上でお送り致します。